PROPERTY GUIDE / 法人の収益不動産
法人所有の賃貸中物件を売却したい。相談前に整理する収入・費用・契約のこと
賃貸中の物件も、今の入居状況から売却相談を始められます。建物の概要に加えて「実際の収入」「維持にかかる費用」「契約と管理の状況」を分けて伝えると、確認すべき条件を整理しやすくなります。
- 01 / 整理
目的と現況
なぜ売るか。誰が、どう使っているか。
- 02 / 相談
資料を共有
所在地・図面・賃貸状況。手元の情報から。
- 03 / 検討
条件と社内確認
価格・費用・時期を比較し、必要な承認を確認。
- 04 / 合意後
契約・引き渡し
利用者や設備の扱いも、合意した条件に沿って。
建物の価格だけで判断しない。
利用状況・契約・引き渡し条件を一緒に見直します。
一般的な流れの概略です。必要な手続きや順序は、物件・契約・社内規程によって異なります。
満室になるまで、相談を待つ必要はありません
一棟マンションやアパート、テナントが入るビルを保有していると、「空室を埋めてから」「修繕が終わってから」と売却相談を後回しにしてしまうことがあります。相談を始める段階では、満室や工事完了を前提にせず、現状と予定を分けて伝えましょう。
売却相談を始めることと、実際の売買条件が決まることは別です。賃貸状況や契約内容、建物の状態を確認したうえで、買取の可否と条件を個別に検討します。入居者の退去や賃料の変更を前提にして準備を進める必要はありません。
例えば、空室があり、共用部の修繕を検討しているなら、「現在の空室」「募集条件」「工事の見積もりの有無」をそれぞれ伝えます。予定している収入と、すでに発生している収入を混ぜないことが出発点です。
賃料一覧と、実際の入金を分けて見る
レントロールとは、部屋や区画ごとの賃料・入居状況などをまとめた一覧です。手元にある場合は、作成日と現在の状況が合っているか確認してください。一覧がなければ、管理会社の月次報告など、分かる資料から整理できます。
契約上の賃料、募集している賃料、実際に入金された金額は、必ずしも同じではありません。一時的な賃料減額や未入金などがあれば、その期間と分かっている事情を切り分けておきます。
- 入居状況:どの部屋・区画が賃貸中で、どこが空室か。いつ時点の情報かも添える。
- 契約上の収入:賃料と共益費など、項目を分けて整理する。
- 入金状況:直近の管理報告や入金記録と照らし、一覧との差があれば記載する。
- 今後の予定:募集条件の変更、退去予定、工事期間など。未確定のものは予定と明記する。
毎月の費用と、これから必要な修繕を整理する
賃料収入だけでは、保有中の負担は見えません。毎月発生する管理・清掃などの費用と、一時的な修繕費用を分けると、今の運営状況を説明しやすくなります。
支出の一覧を最初から作り直す必要はありません。管理会社からの報告、請求書、修繕記録など、どの資料で確認できるかを整理しましょう。予定工事については、検討中・見積もり取得済み・発注済みを区別します。
売却相談のためだけに大きな工事を先行させるかは、費用と売却条件を合わせて検討します。一方で、安全や日常の利用に関わる不具合は、売却の検討と切り離して管理会社などと必要な対応を確認してください。
- 継続的な費用:管理委託、共用部の電気・水道、清掃、点検など。
- 過去の修繕:実施時期、工事の内容、対象箇所。分かれば費用も添える。
- 現在の不具合:雨漏り、設備故障など、把握していることと対応状況。
- 今後の工事:必要性を検討しているものと、契約済みのものを分ける。
契約資料は「何があるか」から確認する
賃貸借契約書や管理委託契約書には、物件の運営を確認するための情報が含まれます。まずは保管場所と資料の有無を確認し、すべての契約書を初回から送るのではなく、必要な範囲を相談しましょう。
敷金・保証金の預かり状況、管理会社との取り決め、更新や変更の記録なども、後の条件確認に関わる項目です。引き継ぎや精算の扱いは、この一覧だけで判断せず、個別の契約と取引条件に沿って確認します。
入居者の氏名・連絡先などの個人情報は、初回相談に不要な部分を伏せてください。原本は手元に保管し、必要な共有範囲と方法を確認してから進めます。
- 賃貸関係:賃貸借契約書、更新・変更の記録、敷金・保証金の一覧。
- 管理関係:管理委託契約、保守・点検の契約、管理会社の連絡先。
- 建物関係:図面、修繕履歴、点検記録など、手元にあるもの。
- 確認中の事項:資料がないもの、契約と現況に違いがあるもの、担当者に確認が必要なもの。
提示価格だけでなく、条件をそろえて比較する
買取条件が提示されたら、価格に加えて、契約・引き渡しの時期、費用負担、未実施の修繕や管理に関する確認事項を並べて検討します。条件が異なる提示を、金額だけで比較しないことが大切です。
会社としての売却目的も共有しましょう。保有資産の整理、管理負担の見直し、次の投資に向けた検討など、背景によって優先順位は変わります。社内で未決定の事項は、そのまま未決定と伝えて構いません。
税務・会計や契約上の個別判断は、顧問税理士・弁護士などにも確認します。この記事は相談準備の整理を目的としており、税額や契約の効力を判断するものではありません。
初回相談で伝えることは、この4つから
資料が不足していても、分かる範囲から相談できます。「何が分からないか」が分かるだけでも、次に確認することを整理しやすくなります。
ブラザーホームは、東京23区・千葉・埼玉を中心に、一棟収益・事業用不動産も個別に買取を検討します。建物の見た目だけでなく、入居状況・修繕・運営・利用条件を整理し、次の所有者や使い方へつながる可能性を考えます。
自社で保有する物件の相談は「個人・法人のお客様」のフォームから、会社名と現在の状況をお知らせください。賃貸中であることだけで相談をあきらめず、今ある情報からお聞かせください。
- 物件の概要:所在地、一棟マンション・アパート・ビルなどの種類。
- 現在の状況:入居・空室の状況と、管理を自社で行っているか、委託しているか。
- 相談の背景:保有の見直し、管理負担など、売却を考えた理由。
- 希望と未定事項:希望する時期、社内で検討中のこと、手元にある資料。