PROPERTY GUIDE / 法人の保有不動産
事業所を売る前に、誰に・どこまで伝える?売却相談の情報共有ガイド
まだ社内外へ公表していない段階でも、その状況を添えて売却相談を始められます。誰に・何を・どの段階で共有できるかを先に整理し、資料の送付、現地確認、広告掲載はそれぞれ取り扱いを確認しましょう。

社内に話す前でも、相談の入口で伝えられます
事業所の移転を考えています。今の建物を売れるか知りたいのですが、まだ社員にも取引先にも話していません。相談すると、すぐに売り出されてしまいますか。
いいえ。まずはご相談としてお話を伺います。社内外にはまだお話しされていないのですね。広告掲載や購入候補先への紹介は、ご希望と情報を出せる範囲を伺いながら、進め方を決めます。移転時期や売却自体が未定でも、現在の状況からお聞かせください。
この記事の会話は、相談準備のために作成した説明用の例です。実際のお客様の相談記録ではありません。
社員や取引先へ説明する時期は、会社の方針や契約、移転計画によって異なります。この記事では一律の告知日を決めず、不動産会社へ相談する前に整理したい情報の扱いを紹介します。
最初に決めるのは「連絡を受ける人」です
会社の代表電話に連絡が来ると、ほかの社員が出ることがあります。
承知しました。こちらからは、ご指定のメールへご連絡する形はいかがでしょうか。お電話をご希望でしたら、連絡してよい番号と時間帯を教えてください。代表電話への連絡や、受付での用件の伝え方についても、ご希望を伺って決めましょう。
情報の共有先を絞っても、窓口の人だけで売却条件を決定できるとは限りません。連絡担当と判断する人を分けておくと、確認待ちの事項を把握しやすくなります。
- 連絡窓口:問い合わせや資料依頼を受ける担当者。
- 判断する人:価格や引き渡し条件を社内で検討する担当者・決裁者。
- 連絡方法:電話・メールの希望、連絡できる時間帯、避けたい連絡先。
- 未公表の範囲:社員、取引先、借主など、まだ説明していない相手。
資料は「全部送る前に」共有する範囲を確認します
図面や契約書はあります。社内資料なので、どこまで送ってよいのか迷います。
いきなり全部お送りいただかなくて大丈夫です。まず、どの資料がお手元にあるかを伺い、今回の相談に必要な箇所と共有方法を一緒に確認します。契約書に社内確認が必要でしたら、その後の共有で構いません。原本はお手元に残し、共有する場合は写しをご用意ください。
例えば、図面の中に従業員の氏名や業務上の機密がある場合、相談に必要な情報と分けて考えます。契約書の共有について社内の取り決めがあるなら、その確認も必要です。物件の所在地や用途、権利関係など、調査に必要な情報まで隠すことを勧めるものではありません。
「図面は提供可能」「契約書は社内確認後」「取引先名を含む資料は共有範囲を相談したい」と、資料ごとに扱いを分けて伝えてください。
現地確認と広告掲載を、同じ話にしないことが大切です
現地を見てもらう必要はありますか。見学の人が来ると、売却の話だと気づかれそうで心配です。
建物の状態や使われ方によっては、現地の確認をお願いすることがあります。ただ、稼働中で周囲の目が気になるというご事情は承知しました。訪問できる時間帯や場所、撮影してよい範囲を先に伺い、私たちから確認方法をご相談します。広告に写真を使う話は、調査のための撮影とは分けてお話しします。
広告へ載せる外観写真と、状態を確認するための写真も、使用目的が異なります。写真を渡す際には、相談・調査用なのか、広告への使用も検討しているのかを確認しましょう。
- 訪問:候補日時、入場方法、案内役、入れない場所。
- 撮影:外観・室内で撮れる範囲と、写してはいけない物。
- 紹介:購入候補先などへ、どの情報をどの段階で伝えられるか。
- 広告:会社名、住所、外観写真などの掲載を検討するか、未定か。
「秘密にしたい」と「何も伝えなくてよい」は別です
情報の扱いを相談しておけば、周囲には知られないと考えてよいですか。
未公表で進めたいというご希望は承りました。ただ、周囲に知られないとお約束することはできません。現地での動きや、調査・取引に必要な確認もあるためです。私たちが調査や紹介で扱う情報は、目的と共有先をご説明しながら進めます。特に避けたい連絡先や訪問方法はありますか。
宅地建物取引業法第45条は、宅地建物取引業者が業務で知った秘密について、正当な理由なく外へ漏らすことを禁じています。一方、取引相手の判断に重要な影響を与える情報を伏せてよい、という意味ではありません。個別の開示範囲や秘密保持の合意について判断が必要な場合は、顧問弁護士などにも確認してください。
「非公開で進めたい」という希望だけでなく、共有先、資料の目的、現地対応の条件を具体的にすることが相談準備になります。
このまま使える、初回相談の伝え方
次は説明用の記入例です。自社の状況に合わせて、分かるところだけ置き換えてください。
「自社で使用中の事業所について、売却を検討しています。社員・取引先には未公表で、移転時期もまだ決まっていません。連絡窓口は担当者の私です。図面はありますが、契約書の共有には社内確認が必要です。現地確認や写真の取り扱いも含め、どの段階で何が必要か相談したいです。」
価格や日程が決まっていなくても、未公表の事情、窓口、手元の資料が伝われば、次に確認する項目を整理しやすくなります。
移転日や設備の扱いを整理したい方は「事業所を移転する前に、今の土地・建物の売却相談で整理したいこと」、法人売却全体の流れは「法人が保有する土地・建物を売却するときの相談の流れ」もあわせてご覧ください。リンクは末尾の参考情報に掲載しています。
ブラザーホームは、東京23区・千葉・埼玉を中心に、事業用不動産の買取・売却相談を承ります。相談フォームには、物件の概要と「社内外への公表前である」などの事情を、差し支えない範囲でご記入ください。資料の共有方法や確認の進め方は、個別にご案内します。