売却・買取ガイドご相談

PROPERTY GUIDE / 水害履歴・売却準備

浸水したことがある家は売れる?被害・修繕・ハザードマップを整理する順番

浸水した履歴がある家も売却相談はできます。まず地域の水害リスクと、その家で実際に起きた被害を分けて確認し、修繕した範囲・現在の状態・分からないことを整理します。売却条件は物件の調査とご希望を踏まえて検討します。

片付け後の玄関に長靴と清掃道具、修繕資料を置いた説明用イメージ。実際の浸水被害や取引物件の写真ではありません
片付け後の玄関に長靴と清掃道具、修繕資料を置いた説明用イメージ。実際の浸水被害や取引物件の写真ではありません説明用イメージ画像

最初に答えたい三つの疑問

Q. 以前、床下に水が入った家でも相談できますか。

ご相談いただけます。いつ、どこまで水が入り、その後どんな対応をしたかを伺います。こちらで現在の状態と売却希望時期を確認し、追加で必要な資料や調査を整理します。履歴があるだけで一律に売却不可とも、影響がないとも決められません。

Q. 修理して跡が消えていれば、過去の話は不要ですか。

跡が見えないことと、被害がなかったことは別です。把握している浸水の事実と修繕内容は、最初の相談でお知らせください。何をどう買主へ説明し、どの状態を前提に契約するかを確認します。

Q. ハザードマップを見れば、その家が浸水したか分かりますか。

ハザードマップは主に想定される水害リスクと避難情報を示す資料で、その家の被害証明ではありません。過去の地域の浸水記録、建物の写真や修繕記録と役割を分けて見ます。

この記事は過去の浸水履歴がある住宅の売却準備を扱います。現在も浸水・漏電・建物の損傷などの危険がある場合は、調査や撮影より安全を優先し、自治体や適切な専門業者の案内に従ってください。

手順1 当時起きたことを、場所と時期で残す

「大雨で浸水した」という一言では、道路が冠水したのか、敷地に水が入ったのか、床下や室内まで入ったのかが分かりません。分かる範囲で、被害の場所と確認時期を書き出します。

これは相談用メモの項目です。すべての書類が売却に一律に必要という意味ではありません。家族の記憶しかない場合も、未確認の範囲を添えて伺います。雨漏りや給排水管からの漏水が別にあるなら、同じ被害としてまとめず、原因と経緯を分けてください。

  • 時期:年・月、当時の台風や大雨。日にちが不明なら、そのまま不明と記す。
  • 範囲:道路、庭、駐車場、床下、室内、地下室など、確認した場所。
  • 程度:水位が分かる写真や当時のメモ。跡だけから深さを推定しない。
  • 確認者:自分で見たこと、家族から聞いたこと、書類で分かったことを区別する。
  • 記録:撮影日が分かる写真、自治体へ申請した書類、保険会社とのやり取りなど。

手順2 直した場所と、確認できていない場所を分ける

修繕記録は、被害後に何をしたかを説明する材料です。清掃・乾燥、床材や壁材の交換、床下の確認、設備の点検などについて、実施日、施工箇所、業者、報告内容を対応させます。

たとえば床材の交換を示す請求書があっても、それだけで床下や壁の内部まで調査・補修したとは限りません。これは説明用の例です。「工事をした」と「見えない部分まで確認できた」は分けて記録してください。

気になる状態の原因や安全性を、写真だけで判断することはできません。追加調査を依頼する場合は、何を確かめたいか、調査できる範囲と費用を先に確認します。雨漏りの調査と修理の違いは「雨漏りがある家は、直してから売る?」でも説明しています。リンクは末尾にあります。

  • 工事の資料:見積書、契約書、請求書、施工前後の写真、点検報告書。
  • 現在の状況:におい、変色、床の状態、設備の不調など、実際に気付いたこと。
  • 未確認の範囲:床下や壁の内部、長期間現地を見ていない場所、施工内容が不明な工事。

手順3 ハザードマップと地域の実績を別々に見る

国土交通省は、水防法に基づく水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を、不動産取引の重要事項説明の対象にしています。売主が把握する被害履歴を伝えることと、宅地建物取引業者が行うハザードマップの確認・説明は、同じ作業ではありません。

国土地理院は、重要事項説明には市町村が作成した水害ハザードマップを使うよう案内しています。「重ねるハザードマップ」は各機関の災害リスク情報をまとめたもので、市町村が水防法に基づき作成したマップそのものではありません。所在地の自治体の資料も確認します。

過去の被害を調べるときは、資料名だけでなく、対象期間、地図の単位、記録している被害の種類を読みます。公開図に記録が見当たらないだけで、その家の浸水歴がないとは判断しません。

江戸川区・東京都の資料には、読み取れる範囲がある

江戸川区の宅地建物取引業者向けFAQは、区内の履歴として「道路冠水履歴マップ」を案内しています。道路の記録を、そのまま隣接する家の室内被害の記録と扱わないことがポイントです。また、区は特定地点の詳細な浸水深の情報を保有していないと説明しています。

東京都建設局は「水害リスク情報システム」で過去の水害記録や浸水実績図を案内しています。住所検索は町丁名単位で、番地単位までは確認できないとしています。実績図も主要な浸水実績を整理したもので、おおよその位置を示し、実際の範囲と異なる場合があります。

こうした公開資料は地域の状況を知る材料です。個別の建物の被害・修繕は手元の記録で補います。千葉・埼玉など他地域は、同じ資料名や公開範囲とは限らないため、所在地の自治体で確認してください。

手順4 工事を発注する前に、引渡し条件を比べる

売却に向けた追加工事をするかどうかは、現在の状態、買主の利用計画、調査結果、費用と時期を並べて検討します。安全確保の対応と、売るためにどこまで直すかの判断は分けます。

「現況渡し」と書くだけで、把握している被害や不具合を伝えなくてよいことにはなりません。東京都の手引きも、知りながら告げなかった事実について、免責特約があっても責任を免れない場合があることを説明しています。説明する事実と引渡す状態を、告知書や契約書で確認します。個別の責任は弁護士などへ確認してください。

買取と仲介を比較するときも、浸水履歴の説明、追加調査、修繕の範囲、費用負担、引渡し時期をそろえます。価格が何割下がるといった一律の数字は使わず、物件ごとの条件で検討します。「不動産の買取と仲介、どちらが自分に合う?」も参考情報に掲載しています。

最初の相談で、私たちがお聞きしたいこと

所在地、被害を確認した時期と範囲、現在の居住・空室状況、修繕資料の有無、売却希望時期をお知らせください。遠方で現地を見ていない場合は、最後に確認した日と鍵の保管先も伺います。「遠方の空き家を売りたい」の記事に、訪問前の準備をまとめています。

株式会社ブラザーホームでは、東京23区・千葉・埼玉を中心に、履歴や資料が一部未確認の住宅も現状からご相談を承ります。こちらでご希望と資料を確認し、売却条件を検討するために必要な確認をご案内します。買取可否・価格・日程は、物件調査などを踏まえ個別に判断します。

電話03-5809-8182(受付10:00〜18:00)。〒132-0014 東京都江戸川区東瑞江2-10-10。東京都知事(3)第97947号。

資料確認日:2026年11月3日。一般的な売却準備の案内であり、個別の建物の安全性や将来の浸水可能性を判定するものではありません。